
福岡を代表する老舗菓子店「千鳥屋本家」など関連4社が、福岡地裁へ民事再生法の適用を申請したことが、信用調査会社の帝国データバンクの倒産速報で明らかになりました。
負債総額は合計で約22億6840万円に達しています。
「千鳥饅頭」で全国的な知名度を誇る(株)千鳥屋本家(福岡市中央区)は、長年にわたり地域に根ざした菓子販売を展開してきました。しかし、昨今の集客減や収益悪化が響き、経営環境の悪化が避けられない状況となりました。
コロナ影響とブランド力低下が重荷に
千鳥屋本家の歴史は古く、1630年の創業に端を発し、これまで長きに渡って福岡・九州の菓子業界を牽引してきた老舗。
特に看板商品の「千鳥饅頭」は多くの固定ファンを持ち、地域になじみ深い存在として支持を受けてきました。
ところが、コロナ禍での来店客数の激減が大きな打撃となり、コロナ前には全国に66店舗を展開していたものの、赤字決算が続く中で次第に店舗数は縮小。直近では42店舗にまで減少していたとのこと。
さらに、主力商品の一つである「チロリアン」をめぐる商標権紛争が発生し、和解後には商品名を「ヨーデルン」へ変更。このブランド力低下も業績を圧迫した一因と見られています。
関連会社3社も影響 グループで経営困難に
今回申請されたのは千鳥屋本家本体だけでなく、次の関連会社も含まれます。
(株)千鳥屋本家(菓子製造)
(株)チロリアン(菓子製造)
(有)一実(菓子製造)
いずれも福岡市内に拠点を置き、それぞれ負債を抱えています。
これら関連企業の負債額を合算した総額は約22億6840万円にのぼり、グループ全体で資金繰りが限界に達したことが伺えます。
千鳥屋本家は民事再生法適用により、事業継続を前提とした再建を目指す方針とされ、親族経営の関係会社の支援を受けながら営業を継続する計画。
福岡県内では地域ブランド・地場企業への影響が懸念される中、地域経済の底支えとなる老舗企業の再建の成否は、多くの住民や消費者にとって関心事となっています。
▶ 帝国データバンク
この情報は3月2日(月)時点での内容です。また、記事の内容は予告なく変更される場合があります。