長部田海床路(ながべたかいしょうろ)
大分むぎ焼酎二階堂のテレビCM(2008年に放送)「消えた足跡」篇のラストシーンに登場し、その存在を一躍有名にした、熊本県宇土市にある「長部田海床路(ながべたかいしょうろ)」へ行ってきました。
干潮の時間帯は、海の彼方へと伸びる約1kmの「道」が現れ、満潮となると「道」全体が海に沈みます。
長部田海床路は昭和54年(1979年)に建設。有明海は干満の差が激しいことから、潮が引き始めると船を岸に寄せることができず、海苔養殖・採貝を営む漁業者さんたちは、海での仕事を終えた後、船を岸から離れた沖に停泊させ、この「道」を使って陸に戻ります。
海の中に電柱が立ち並び、ぼんやりとした光が海の水面に幻想的に照らされる光景は、満潮の2時間前後が見頃とされています。
ちなみに、スタジオジブリの長編アニメーション「千と千尋の神隠し」の劇中で、銭婆の元へ向かう千とカオナシが乗車した海原電鉄の走行シーンに似ていると、SNSなどで話題になったのも記憶に新しいところです。
「長部田海床路」の場所は、以下の地図を参考にしてください。
道順ですが、九州自動車道を熊本方面へ走り、御船(みふね)ICで高速道路を降ります。
ここをタップorクリックすることで御船IC出口からの道順を確認できます。※御船IC出口から約40分で到着。太宰府ICから約1時間40分です。
以下、道路に関する画像は © Google マップ 提供です。
御船ICの料金所を通過した後は、正面交差点の「中央」の車線へ移動します。
信号を天草・熊本方面(国道445号線)に右折します。片側2車線の道路ですので、左側を走ります。
しばらくすると、右手奥の方に「イオンモール熊本」が見えてきますので、今いる車線を、さらに左側車線に移動し、本渡・宇土方面へ進みます。
イオンモール熊本を右手に、次の信号では「中央」の車線に移動します。
そのまま直進。以下のような景色が見えてきたら、国道3号線への合流が間近です。
薄いグリーンの色をした横断歩道橋が見えてきます。左折専用レーンに移動(道なりに直進)し、この交差点を左折、国道3号線に入ります。ここからは片側2車線の広い道路です。右側車線は追い越しレーンとなりますので、左側車線を走行します。
3.4km(約6分)ほど走行すると、右手にENEOSのガソリンスタンドが見えてきます。この辺をメドに右側車線に移動します。現在走行している左側車線は、この先で左折専用レーンとなりますので注意しましょう。
さらに1.2km(約3分)ほど走行すると、左手にマクドナルドの看板(立体的なロゴマーク)が見えてきます。そのすぐ先に横断歩道橋があり、その交差点を「天草・三角 方面」へ右折します。右折専用レーンに移動しましょう。
その後は国道57号線を目的地へ向かって真っ直ぐ道なりに進みます。
約7.4km(約13分)ほど走行すると、右手にジョイフルが見えてきます。その先は、軽い上り坂で、ゆるやかに左にカーブします。そこを過ぎると、右手に海が見えてきます。もうすぐ目的地です。
左手に鉄道の踏切が見えてきます。その次の踏切をすぎてすぐ、右手に「住吉海岸公園」と書かれた白い看板が見えてきますので、右折専用レーンに入り、駐車場へと移動します。目的地に到着です。
対向車線では、速いスピードでクルマが走行していますので、右折時は十分注意しましょう。
九州自動車道の御船ICを降りて、目的地までは、交差点を3回曲がるだけで現地に到着します。複雑な道順ではなく、とても分かりやすいシンプルなルートです。
駐車スペースはかなり広く、乗用車から大型トラックまで、多くの台数が駐車できます。画像の反対側も駐車可能スペースです。
トイレ兼ゲートとなる門をくぐって公園に入ります。ゲートの右側からも入れますが、クルマの出入りがあるため、危険を避けるためにもゲートから公園に入りましょう。
大きな公園ではありませんが、景色が一気に広がるため「海にきたー!」という気分にさせます。
堤防沿いを右側へ歩いていくと、すぐに目を引くのが、大きなジンベエ像です。
長部田海床路を背に、この大きなジンベエ像が設置されたのは、2022年7月23日。同エリアに新たなランドマークが誕生しました。
2016年に発生した熊本地震からの復興の原動力となるよう、熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎氏が描く人気漫画「ONE PIECE」と熊本県が連携した「ONE PIECE 熊本復興プロジェクト」が発足。その一環として、熊本県内に10体の麦わらの一味の像が設置されています。詳細はこちら。
現在では、ここ熊本県宇土市において、長部田海床路と並んで人気の撮影スポットとなっており、世代を問わず人気を博しています。
さらに、2023年8月4日にオープンした、海藻セレクトショップ「MOBA(もば)」にも注目です。
海の中で、森や山のような生命の安らぎと豊かさを与え続ける、とても重要な役割を果たしている「藻場」から名付けられたMOBA。
まさに長部田海床路の正面(住吉海岸公園内)に位置しており、抜群のロケーションを誇ります。
店舗の周りは駐車スペースが整備され、寒い日や雨天の場合も、素早く店内にアプローチできます。
さらに、店舗横の階段を上がると、2階部分は展望テラスになっていて、高い場所から長部田海床路を望むことができます。
この展望テラスは24時間開放されており、店舗が閉店時間帯であっても利用できます。※2024年11月25日現在
店内は、海にちなんだ地域ならではの商品がラインナップ。工夫を凝らしたテイクアウトメニューは、店舗裏側のイートインエリアで楽しめます。
この海藻セレクトショップ「MOBA」についての詳細は、こちらの別記事からチェックできます。
そして主役はもちろんここ。海の向こう側へと伸びる海床路。画像は干潮時のもので、満潮時は道が海に沈みます。
当たり前のことですが、ここから先(海)では、組合員の方たち以外の入漁が固く禁じられています。特に注意しましょう。
ぐぐーっと道が伸びていて、漁に関連するクルマがひっきりなしに行き来きしています。さて、せっかく来たので、海に向かって道を歩いてみましょう。
2017年7月の台風被害により倒壊した、長部田海床路の”お印”ともいえる「電柱」ですが、2018年6月に新たに復活しています。支柱の土台も、より堅牢な造りに生まれ変わっているようです。
振り向くと、岸から結構離れたところまでやってきたのが分かります。暑さが気にならず、それでいて、ウォーキングで暖まるのが心地よい、晩秋から初冬にかけてのシーズンは、訪れるのにぴったりな時期です。
さらに離れたところまでやってきました。この辺は、道路だけでなく、クルマを停める駐車スペースにもなっているようで、広く整備されています。
海床路の先端までやってきました。天候に恵まれれば、正面に長崎県の島原半島中央部にそびえる火山 雲仙岳(うんぜんだけ)を望むことができます。
西の方角を見ると、晩秋の、低い太陽からの柔らかな光が水面に反射し、キラキラと輝いていて、とても美しい光景でした。なお、つい先程まで海に沈んでいた場所を歩くわけですから、汚れても大丈夫なスニーカーが必須です。あと、丈の長いコートやスカートなども控えた方が良いでしょう。
今回訪れた場所は、福岡から天草方面へドライブする際の通過地点でもあります。
日帰りの旅で干潮時と満潮時の両方を見るのは難しい(待つのだけでも大変)と思われますので、海床路を歩いて、さらに沈んだ状態も見たい!という場合は、世界遺産の三角西港と天草観光をセットにした宿泊旅行を計画してみるのも良いかもしれませんね。
潮の干満、日の出/日の入に関する情報は、以下の潮見表を参考にしてください。長部田海床路のあるエリアは約5分差し引いた時刻を目安にどうぞ。例えば、干潮時刻が12時17分の場合、長部田海床路では12時12分頃となります。
注意点として、干潮時刻が過ぎるとすぐに潮が満ち始めますので、歩く時間も考慮して、干潮時刻の1時間ほど前に到着するようにすると良いでしょう。