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市区町村とは違う「自然の住所」を知っていますか? 福岡市のヤマップが「流域」を3D地図化し公開

市区町村とは違う「自然の住所」を知っていますか? 福岡市のヤマップが「流域」を3D地図化し公開

「地球とつながるよろこび。」を企業理念に掲げアウトドア事業を行うヤマップ(本社:福岡市)では、日本全国の流域を網羅した3Dデジタルの「YAMAP 流域地図」をリリースしたと発表しました。

流域地図とは、私たちが暮らす場所を人間が作った行政区分ではなく、水の流れを基礎とした“流域”で表現した地図です。

山・川・街・海を含めた大地の広がりである流域を、地図上で視覚化し、山を含めた自然資本の価値を分かりやすく伝えることに役立ちます。

また、流域全体で治水対策を行うなど防災減災での活用も想定した地図になります。

流域は地球の生態系の単位
「流域」とは「雨水が川に集まる大地の地形」を指します。私たちが暮らしている大地を含め、地球上のほぼすべての場所は、流域でとらえることができます。都道府県や市町村といった人間がつくった行政区分ではなく、水の流れを基礎とした生命圏の区分が流域です。その意味で、流域は地球の生態系の単位とも言えます。

市区町村とは違う「自然の住所」を知っていますか? 福岡市のヤマップが「流域」を3D地図化し公開

自然の恵みを育む山の価値を伝え、防災にも役立つ

現代では都市化が進み、山・川・街・海のつながりが見えにくくなっています。水、土、空気といった恵みを育む山の価値を、都市に住む人たちへどのようにしたらわかりやすく伝えることができるか… 同社では、山に関わる事業者として、山・川・街・海を個別にとらえた断片的な治水対策ではなく、山・川・街・海を一体でとらえることの重要性を感じてきました。

そこで、流域思考の提唱者である慶應義塾大学名誉教授・岸由二氏たちにアドバイスをもらいながら、山・川・街・海を含めた大地の広がりを視覚的に表現する「YAMAP 流域地図」を開発。

流域地図を通して、水・土・空気といった恵みを育む山の価値や山とのつながりを、都市に暮らす人たちへわかりやすく伝えるとともに、流域地図が総合的な治水対策を進める上での共通基盤になればと考えています。

YAMAP 流域地図の使い方
自分が暮らしている足もとの場所を流域地図で見ると、周囲に山々が表示されます。その山々は暮らしている街に恵みをもたらしてくれる源流の山であり、ふるさとの山です。

▼暮らしている場所の流域を知る
地図上を選択すると流域がフォーカスされ、流域名が表示されます
フォーカスされた地図上をさらに選択すると、入れ子構造の流域が表示されます
同様の操作で、さらに分化した入れ子構造の流域を確認できます

▼源流の山を知る
地図上を選択すると流域がフォーカスされ、山頂が表示されます
山頂マークを選択すると、その山を含む流域がフォーカスされ流域名、山名が表示されます
山名からYAMAPの山情報が閲覧でき、山を歩く情報はアプリ「YAMAP」が便利です

詳しくは、こちらの流域地図の使い方から確認できます。

源流の山を歩いてみよう
流域地図で知り得た源流の山に自分の足で登り、普段暮らしている街を山から見下ろしてみましょう。すでに登ったことがある方も、流域という観点をたずさえて、歩き慣れた源流の山に登ってみると、山の見方や住んでいる街のとらえ方に変化があるかもしれません。

流域地図の今後の展開
今回(2024年5月リリース)の流域地図はテスト版であり、今後、下記の機能を盛り込む予定です。
流域を単位とした洪水浸水に関するデジタルハザードマップの表示
流域を単位とした土砂災害に関するデジタルハザードマップの表示
宇宙衛星観測画像を活用しつつ、水・土・大気、山・森・川・海などの自然資本を計測し、流域地図に表示

流域地図の活用や事業連携に関する問い合わせ
小学校、中学校など学校での環境教育、理科・地理教育での活用
治水対策、土地利用、インフラ強靭化などに関わる国や都道府県、地方自治体、不動産関係者などの活用

同社では、今後、事業連携を進めながら、流域地図をアップデートしていくとのことです。

流域地図|ヤマップ
流域地図への問い合わせ

この情報は5月15日(水)時点での内容です。また、記事の内容は予告なく変更される場合があります。

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