日本銀行は28日、新紙幣について、2024年7月前半を目処に発行すると発表しました。
なお、現在流通している紙幣は、新しい紙幣の発行が開始された後においても、引き続き通用します。「現行の日本銀行券が使えなくなる」などを騙った詐欺行為（振り込め詐欺など）に注意しましょう。
今回の改刷では、新たな偽造防止対策として、現行の「すき入れ」に加えて、新たに高精細なすき入れ模様を導入。さらに、一万円券および五千円券にはストライプタイプのホログラムを新たに導入。千円券にはパッチタイプのホログラムが新たに導入されます。
肖像の3D画像が回転する最先端のホログラムで、紙幣への採用は世界初となります。また、記番号について、現行の最大9桁から10桁へと変更になる予定です。
500円硬貨は、素材に新規技術であるバイカラー・クラッド（二色三層構造）を導入。また、貨幣の縁に、新たに「異形（いけい）斜めギザ」が導入されるほか、縁の内側に、新たに微細文字が加工されます。
新一万円札
＜表＞
肖像
渋沢 栄一
しぶさわ えいいち
1840～1931
第一国立銀行、東京株式取引所（現 東京証券取引所）、東京商法会議所（現東京商工会議所）など生涯に約500もの企業の設立等に関わったといわれ、実業界で活躍。また、教育・社会事業・民間外交にも尽力。
＜裏＞
東京駅（丸の内駅舎）
辰野金吾設計、1914年竣工。「赤レンガ駅舎」として親しまれてきた歴史的建造物。明治・大正期を代表する建築物の一つ。戦災で一部焼失、2012年復原工事完了。丸の内本屋は国の重要文化財指定（2003年）。
新五千円札
＜表＞
肖像
津田 梅子
つだ うめこ
1864～1929
1871年、岩倉使節団に随行した最初の女子留学生の一人。1900 年に女子英学塾（現 津田塾大学）を創立するなど、近代的な女子高等教育に尽力。
＜裏＞
フジ（藤）
フジ（藤）は古事記や万葉集にも登場し、日本では古くから広く親しまれている花。
新千円札
＜表＞
肖像
北里 柴三郎
きたさと しばさぶろう
1853～1931
世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功、破傷風血清療法を確立。また、ペスト菌を発見。私立伝染病研究所、私立北里研究所を創立。後進の育成にも尽力。
＜裏＞
富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」
日本を代表する浮世絵。江戸時代の浮世絵師葛飾北斎の代表作で知名度も高く、世界の芸術家に影響を与えた作品でもある。
この記事の内容は、2023年6月29日（木）時点のものです。