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宇美八幡宮本殿・拝殿及び幣殿・神門が国登録有形文化財(建造物)に登録されます

宇美八幡宮本殿・拝殿及び幣殿・神門が国登録有形文化財(建造物)に登録されます

宇美町(宇美町役場)は18日、令和7年7月18日(金曜日)に開催された国の文化審議会が、宇美八幡宮の本殿・拝殿及び幣殿(へいでん)・神門の3件について、国登録有形文化財(建造物)に登録するよう、文部科学大臣に答申。この結果、官報告示を経て、国登録有形文化財(建造物)に登録されると発表しました。

宇美町では、初の国登録有形文化財の誕生となります。

国登録有形文化財とは

建築物などのうち、原則として建設後50年を経過したもので、①国土の歴史的景観に貢献しているもの、②造形の規範となっているもの、③再現することが容易でないもの、以上の条件のいずれかに該当することが登録の基準となります。

宇美八幡宮とは

二千年以上続く鎮守の杜に育まれた子安の杜

福岡県糟屋郡宇美町宇美一丁目1番1号に鎮座する安産信仰で有名な八幡宮です。

県道68号福岡太宰府線に面した地にあり、ここを起点として、ショウケ越へ至る道、只越を経由し、太宰府市へ至る道、そして、大野城跡へ至る道となっており、往古より重要な地であったと推測されます。

応神天皇、神功皇后の母子神を主祭神とし、玉依姫命、住吉大神、伊弉諾尊の五座をお祀りしています。

『古事記』や『日本書紀』に、神功皇后が応神天皇をご出産された地とあることから、境内全体が、福岡県指定有形文化財「宇美八幡宮の安産信仰に関する伝説地」に指定されており、安産祈願やお宮参りに訪れる参拝客で賑わっています。

この「産み」が宇美となったという町の由来の説の一つとなっています。

社伝などによると、敏達天皇の時代に神社が創建されたとあり、人々の認識としては、6世紀の後半頃の創建と伝えられてきたようです。

初めて確実な史料に登場するのは平安時代で、石清水文書「宮寺縁事抄」の天喜3年(1055年)の記録に宇美八幡宮が記載されています。

古から続く安産祈願

安産祈願の歴史も大変古いことが分かっています。平安時代後期の様子を記した歴史書『今鏡』には、「鼈海のにしにはうみの宮 御産平安たのみあり」という記述があり、これが、近衛天皇のご誕生祈願であると伝えられています。

鎌倉時代には、石清水八幡宮の田中宗清の妻が懐妊した際、安産祈願のために宇美宮の槐を用いて薬師像をつくり供養したことや、後鳥羽上皇の寵愛をうけた藤原重子の安産祈願のため、石清水別当道清は、宇美八幡宮の槐の木を用いて、三寸八分の薬師像を作ったという記録が石清水文書にみられます。

江戸時代もその流れは続き、寛政11年(1799年)、の光格天皇の第四皇子で後の仁孝天皇(明治天皇の祖父)のご誕生祈願のための使者が宇美八幡宮を来訪するなど、宮中との関係も深いといえます。

また、『黒田家譜』では、江戸時代福岡藩を治めた黒田家が、戦国時代に荒廃した宇美八幡宮の復興や社領寄附など支援するとともに、安産祈願を行っていることが記されています。

クスの杜と宇美神楽

宇美八幡宮本殿・拝殿及び幣殿・神門が国登録有形文化財(建造物)に登録されます

境内には、樹齢2000年以上と伝わる国天然記念物の「湯蓋の森」「衣掛の森」をはじめたとしたクスの群生に囲まれており、参拝者を優しく見守っています。年間を通して様々な祭りが執り行われており、春の子安祭や秋の放生会では、福岡県指定無形民俗文化財の宇美神楽も奉納されます。

クスの木に囲まれた境内 境内にあるクスの木 25本は、県天然記念物「蚊田の森」に指定されています。

登録物件

宇美八幡宮

宇美八幡宮本殿・拝殿及び幣殿・神門が国登録有形文化財(建造物)に登録されます

①本殿
明治19年建築。木造入母屋造(いりもやづくり)檜皮葺(ひわだぶき)、建築面積62平方メートル。造形の規範となる建造物として評価されました。

宇美八幡宮本殿・拝殿及び幣殿・神門が国登録有形文化財(建造物)に登録されます

②拝殿及び幣殿
明治19年建築(明治32年・昭和33年増築)
木造切妻造(もくぞうきりづまづくり)銅板葺(どうばんぶき)、建築面積100平方メートル。大工棟梁は、原七右衛門持好。明治32年に幣殿を増築し、昭和33年に拝殿の向拝及び両側面部を増築しています。拝殿後方に両下造(りょうさげづくり)銅板葺の幣殿を接続しており、増築によって変化ある屋根構成が優美な社殿です。歴史的景観に貢献する建築として評価されました。

宇美八幡宮本殿・拝殿及び幣殿・神門が国登録有形文化財(建造物)に登録されます

③神門
昭和33年建設。木造切妻造銅板葺の八脚門。間口7.9m。設計は黒木利三郎、施工は中村時次郎。軒反り(のきぞり)が優美であり、参道を見通す開放的な造りであり、境内の軸線を強調しています。造形の規範となる建造物として評価されました。

宇美町 ホームページ

この情報は2025年7月18日(金)時点での内容です。また、記事の内容は予告なく変更される場合があります。

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