日産自動車は31日、赤ちゃん本舗と協業し、ドライバーと子どものみでのドライブ中の安心安全な運転に貢献することを目指して、運転中の子守り支援ロボット「INTELLIGENT PUPPET イルヨ」(以下、「イルヨ」)のコンセプトモデルを開発したと発表しました。
日産自動車が赤ちゃん本舗と共同で行ったアンケート調査によると、子どものいる家庭で、6割以上がドライバーと子どものみでのドライブを週に1~2日以上経験していることがわかりました。
さらにドライバーと子どものみでのドライブ中の悩みとして、8割以上が「赤ちゃんが泣いた時にあやせない」と回答。
この悩みの背景には、安全のために生後15ヶ月未満の赤ちゃんを後部座席に設置した後ろ向きのチャイルドシートに乗せていることにより、お互いが見えなくなる「チャイルドシートの壁」が生まれているためだと考察。
実際に9割以上のドライバーが「後ろ向きベビーシートにより、赤ちゃんの様子がわからず不安」と回答。
こうした事実を踏まえ、日産と赤ちゃん本舗は、チャイルドシートによる赤ちゃんの安全を確保しながら、親子が安心してドライブできる車内環境づくりを目指して解決策を構想。運転中の子守りを支援するロボット、イルヨを開発しました。
日産のセンシング技術から着想を得て開発したイルヨは、後部座席のチャイルドシート横に設置するロボット「イルヨ」と、運転席横のドリンクホルダーに設置するロボット「ベビー イルヨ」の2体で構成。
ドライバーが自身の近くにあるベビー イルヨに特定の言葉を投げかけると、後部座席のイルヨが作動。手を振る動作や、「いないいない、ばぁ」などの動きでチャイルドシートに座る赤ちゃんをあやします。
また、イルヨのカメラが赤ちゃんの表情を認識してベビー イルヨに伝達。ベビー イルヨの目の開閉によって赤ちゃんが寝ているかどうかを親が把握できる仕組みになっています。
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開発段階では北里大学医療衛生学部による実証実験も実施。
実験には実際の親子に協力してもらい、ドライブ中を想定した車内環境でイルヨの有用性を試験。赤ちゃんの9割が、動作しているイルヨに注視することがわかり、赤ちゃんの関心を惹きつける効果があることが確認されました。
また、赤ちゃんをチャイルドシートに乗せた状態でも、イルヨが作動することで半数以上の赤ちゃんの感情がポジティブな方向へ改善されることもわかり、イルヨの赤ちゃんをあやす性能が実証されました。
イルヨはコンセプトモデルのため販売等は現在予定されていませんが、日産では親子の安心安全なカーライフを実現するため、製品の発売なども見据えながら様々な課題の解決につながる取り組みを続けていくと語っています。
イルヨの詳細、最新情報については以下の特設サイトからどうぞ。
この情報は2024年1月31日(水)時点での内容です。また、記事の内容は予告なく変更される場合があります。