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アクロス福岡「YAMATO meets Classics 宮川泰 × 羽田健太郎 二人の宇宙戦艦ヤマト」チケット販売中!

海外で絶大な人気を誇る日本のアニメーション、その先駆けとなった作品「宇宙戦艦ヤマト」。「宇宙」という壮大なテーマを“宮川泰”は音楽で表現し、その音楽をモチーフに羽田健太郎が4楽章からなる交響曲を創りあげました。

2020年に予定され、コロナ禍の中、やむなく中止になった同公演が3年の時を経てアクロス福岡シンフォニーホールにて開催。

宮川彬良の指揮で、ソリストにNHK交響楽団第1コンサートマスター篠崎史紀、ピアノに宮川知子、スキャットに林美智子を迎えてお届けします。父、“宮川泰”の楽曲を息子が指揮を取り、孫娘がピアノを奏でる親子三世代共演にも注目です。

『YAMATO meets Classics 宮川 泰 × 羽田健太郎 二人の宇宙戦艦ヤマト』
【日時】2023年2月23日(木)15:00
【会場】アクロス福岡シンフォニーホール(福岡市中央区天神1-1-1)
【料金】S席:6,000円(U25:3,000円)A席:4,000円(U25:2,000円)
※U25は25歳以下を対象とした料金です。
【チケット取り扱い】アクロス福岡チケットセンター、チケットぴあ、ローソンチケット
【問合せ】アクロス福岡チケットセンターTEL:092-725-9112(10:00~18:00)

◎詳しくは→https://www.acros.or.jp/events/12931.html

◎宮川彬良(指揮) インタビュー(2020年時)
Q.ご自身にとって、「宇宙戦艦ヤマト」はどんな存在ですか?
A.1974年の「宇宙戦艦ヤマト」。それは僕にとって、夢と現実の接点でした。それまでの「スーパージェッター」や「ガッチャマン」はあくまでも夢の中の話。でも「宇宙戦艦ヤマト」には明らかに「これは現実にあるかも…」と思わせる何かがデザインやストーリーなどからにじみ出ていました。だってヤマトって異星人とのファーストコンタクトを丁寧に描いた作品ですものね、平たく言うと。そんな作品他には無いじゃないですか。

Q.組曲「宇宙戦艦ヤマト」が作曲されたのが高校生ぐらいだったかと思います。お父さまの作品ということも含め、当時、この曲をどのように感じていましたか?
A.とにかく最初のTVシリーズの劇伴がカッコ良かったので、その時点で当時中2だった僕は心を奪われました。実を言うと父がその前年まで手掛けていたアニメ「ワンサくん(手塚治虫作品)」が僕は大好きで、息子としても自慢の種でした。学校の音楽室で得意になってワンサくんのテーマをピアノで弾いていました。そのワンサくんは西崎義典氏(アニメ「宇宙戦艦ヤマト」プロデューサー)と宮川泰の第一作目ですよね。今考えると「ヤマト」も「ワンサくん」も方向性は異なれど、実に妥協の無い作品だったと思うのです。またどちらも明らかに大人が真剣に楽しんで作っていると思える作品でしたね。それが中2の僕にも良く伝わってきました。父の仕事としては、いわゆる「SF作品」というのは「ヤマト」が初めてだったのではないかと思います。そういう意味で父にとっても新鮮で「待ってました」感の高い内容だったのではないかと思います。それがあの名作劇伴を作らせたのだと。それにしても父にこれを託した西崎義典という人は千里眼です。

Q.指揮者という立場で作品に触れたときに、曲に対する気持ちに変化などありましたか?
A.そんな父の傑作劇伴を、今度は「交響組曲」にしようと言いだした西崎さんは本当に冴えていましたね。そもそも「交響組曲」という言葉自体、それまであまり使わない言い方だったように思います。「交響詩」か「管弦楽組曲」かですよね、クラシック界では。でもこの「交響組曲、宇宙戦艦ヤマト」は「管弦楽組曲」でもないしもちろん「交響詩」でもなかった訳です。何かこう異分野が「交わり」「響き合う」というぐらいの、大きな発明品でした。一見チャイコフスキーの組曲の様でもあり、でもサンバだったりガットギターの泣きのソロがあったり、本当に自由でやりたい放題やっている。でも必ず泣きましたね、B面の三曲目辺りで。イスカンダル星に着いた~!という所で何べん聴いても必ず泣けました。今聴いても泣けます。結局、西崎さんと父の作ったこの「交響組曲」はストーリーとその達成感を表していた訳ですね。しかも立体的に多重層に。ホント劇伴が芸術になってしまった。これにはやられましたね。父はね、完成したレコードを僕に聴かせながら「ここのフェルマータをもう一寸伸ばせば良かった…」とか細かい事を悔やんでいましたが、とにかくLP一枚の構成が素晴らしかった。当時僕が憧れていた「イエス」や「キングクリムゾン」「ELP」を凌ぐ様な構成力だと思ったものです。

Q.この曲の魅力、聴きどころをお聞かせください。
A.これは父が散々色んな形でヤマトのコンサートをやった挙げ句に到達した、一種のまとめ的な構成の組曲です。僕はこの形を指揮するのは初めてです。また全ての音を宮川泰本人が書いています。そこが聴きどころでもあると思っています。

Q.交響曲「宇宙戦艦ヤマト」の魅力を教えてください。
A.羽田さんの「交響曲、宇宙戦艦ヤマト」は「交響曲」という冠を戴くにふさわしい曲です。これを書かせたのも恐らくは西崎氏なのでしょうが、やはり羽田さんのやりたい事を見抜いた上での見事な采配であったと言わざるを得ません。僕には何となく分かるのです、幼少のころからクラシックを勉強し作曲家となったのであればやはり一度は交響曲を書きたい、という思いが当時イケイケだった羽田健太郎氏の心中に沸々としていたのでしょう。そこを西崎氏に刺激されて生まれたのがこの曲なのではないでしょうか。羽田さんと西崎さんの関係までは、僕には分かりませんが、作曲者として羽田さんに白羽の矢が立った時、二十歳ぐらいだった僕は密かに対抗心と言うか嫉妬心を抱いたのでありました。ハハハ、人間なんて愚かなもんです、まあ僕にもガッツがありますから。

でも、これは僕の記憶の中の私見ですが、当時宮川泰本人も「それは自分向きの仕事ではない」と理解した上で、ほんのちょっとばかりの嫉妬心はあった様ですよ。何となく当時、僕は父の様子からそれを感じ取りました。そんな訳でハッキリ言って僕はこの羽田さんの大作と、これまでちゃんと向き合わないというか、避けて通る様なところがありました。今回篠崎さんとの素晴らしい御縁もでき、おまけに娘を人質にとられた様な格好で初めてこの曲と向き合います。恐らく僕にしか分からない様なたくさんの発見が待っている事でしょう。今からワクワクしています。この歳になればもう嫉妬心もありませんしね。

アクロス福岡HP

この情報は2023年2月11日(土)時点の内容です。最新の情報は公式サイト等から確認をお願いします。また、記事の内容は予告なく変更される場合があります。

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