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福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

鳥飼八幡宮(とりかいはちまんぐう)は28日、令和4年12月18日(日)に御神体を新しい本殿に遷す「本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)」を執り行い、原点回帰をコンセプトにした新しい社殿が完成したと発表しました。

福岡市中央区、福岡PayPayドームの近くにある鳥飼八幡宮は、縁むすびの神、筑前藩主黒田家の氏神として知られている神社です。神社に残る言い伝えでは、神功皇后との交流がきっかけで創建された神社であり、約1,800年の歴史があるとされています。

江戸時代の終わり文化14年(1817)に建設された社殿を長らく維持してきましたが、205年ぶりに全ての社殿の建替など、大幅な刷新を図る「令和の大遷宮」を現在行っています。

それに先だって新しい社殿が完成となりました。新しい社殿は「鳥飼造(づくり)」「鳥飼様式」ともいえる、モダンな雰囲気となっています。

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

新しい社殿のうち、拝殿の大きな特徴は、茅葺の壁です。茅葺は古民家の屋根に用いられる伝統的な技術ですが、壁に用いられました。高さ4.5メートル、幅3~4.5メートルの茅葺壁で構成されている建物は日本でも最大規模といわれています。

賽銭箱の背後の向拝には、大きな石の御柱(石柱)です。斜めに支え合うような組み方は、磐座(いわくら)がイメージされています。

最大高さ10メートル、重さ15トンの石柱を10本配しており、外観でも目を惹きますが、中に入るとさらに存在感を感じます。内装の壁面は黒しっくい、床は黒レンガとなり、かなり落ち着いた景観となっています。

御神体が鎮座する本殿は、神明造(しんめいづくり)という神社建築様式で、伊勢神宮の社殿と同じ様式をオリジナルにアレンジしたもの。木材は奈良県吉野の名木を用いています。

拝殿、本殿ともに直線を多用したデザインは、てりむくり(曲線)を多用した近現代の寺社建築とは一線を画しますが、古代の建築様式に原点回帰したものです。

また、環状列石などの遺跡に見られる古代の信仰を引き継ぐイメージです。茅葺、石柱、神明造と、伝統的なモチーフを扱いながら、再構成することで新しい神社の景色を形成しています。

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

なお、令和5年の元日より、新しい社殿での祈願が開始されます。それとともに、お守りも一新。メインのお守りは8つのご利益ごとにデザインを変えた、紙製のお守りとなりました。葉脈、雷、亀の甲羅、指紋など、神さまがデザインした自然の紋様を取り入れています。価格1体1,000円。

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

社殿の建替は遷宮事業の大きな柱ではありますが、事業全体で見れば、第一幕=序が終わったに過ぎません。引き続き、境内地の整備(第二幕=破)、ミュージアム機能を含む複合商業施設の整備(第三幕=急)を行なっていくとのことです。

福岡市の鳥飼八幡宮が205年ぶりに神殿建替え、原点回帰をコンセプトにした茅葺と巨石の「鳥飼様式」が完成

▶ 鳥飼八幡 ホームページ

この記事の情報は2022年12月28日(水)時点での内容です。

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