時代を超えて愛され続ける、歌手・松田聖子さん。今年もコンサートツアー “My Favorite Singles & Best Songs” がスタートしており、日本武道館、さいたまスーパーアリーナ、大阪城ホールなどが熱いファンで埋め尽くされます。
デビュー40周年を越えて輝き続ける松田聖子さんは、どのように誕生したのでしょうか。
それはビジネス、家庭、技術、ありとあらゆる環境がアナログだった時代。スターを生みだす原動力は、夢と情熱、努力と運命でした。本書「松田聖子の誕生」で明かされる物語は、1978年、一本のカセットテープから流れた歌声から始まります。それを聞いていたのは本書の著者である若松宗雄氏。
CBS・ソニーに勤める新米プロデューサーで、「ミスセブンティーン・コンテスト」九州大会のカセットテープから〈スターの原石〉を見つけようとカセットデッキに向き合っていました。
「全身全霊にショックを受けた。福岡県に住む16歳の歌声はどこまでも清々しく、のびのびとして力強かった。明るさとしなやかさと、ある種の知性を兼ね備えた唯一無二の響き」「すごい声を見つけてしまった」(本書より)
しかし、ここからデビューまでには約2年もの日々が要るのです。芸能界入りに反対する父親、難航するプロダクション探しとデビューへの道筋など、相次ぐ難題を若松氏と聖子さんは二人三脚で乗り越えていきました。
本書はオーディションに夢を託した「他の誰にも似ていない」16歳の少女、その存在がやがて社会現象になるまで支え続けた伝説的プロデューサーによる、「松田聖子」のつよさの原点を描くドキュメントです。
また本邦初公開となるカセットテープの存在に加え、上京前の聖子さんから届いた6通の手紙など、デビュー前夜の秘話も明かされるほか、巻末にはデビュー曲「裸足の季節」をはじめ、若松氏がプロデュースした1stアルバム「SQUALL」から15thアルバム「Citron」までの楽曲解説、制作についてのエピソードが収録されています。
著者からのコメント
開設したYouTubeチャンネルを通じ、聖子のファンの方々から質問を受けるうちに執筆を決意しました。当初は記録のつもりが、カセットテープ一本から聖子を発掘し、大反対する父親を説得、難航した芸能事務所探しなど、デビューのために奔走した日々が鮮烈に甦りました。
1stシングル「裸足の季節」発売までの紆余曲折、大ヒットした「青い珊瑚礁」、松本隆さん、大滝詠一さんと出会った「風立ちぬ」、松任谷由実さん作曲の「赤いスイートピー」、NY録音盤「SOUND OF MY HEART」など、全身全霊でプロデュースし続けた日々を一冊に凝縮したつもりです。
私の仕事論、半生記でもありますが、この本を通じて聖子の素顔に触れた皆さんに、少しでも前向きなメッセージがお届けできれば幸いです。
書籍データ
タイトル
松田聖子の誕生
著者
若松宗雄
発売日
2022年7月19日
本体定価
902円(税込)
ISBN
978-4106109607
この情報は2022年7月18日(月)時点での内容です。最新の情報は公式サイトなどから確認をお願いします。